第56回 北海道小学校校長会教育研究 渡島・北斗大会 
      開会式 会長挨拶








 全道各地よりお集まりの皆さん。おはようございます。
 北海道の水田発祥の地として知られ、歴史と文化の風薫る大野平野。その中心に位置し、今まさに北海道新幹線建設の槌音高く響き渡る北斗市において、「渡島の風を新幹線が奏でるシンフォニーにのせて 未来を担う子らに 希望の光を」をキャッチフレーズに、全道各地より600名余りの参加を得て、第56回 北海道小学校長会 渡島・北斗大会を盛大に開催できますことは、大きな喜びであります。

 本教育研究大会の開催にあたり、公務ご多用にもかかわらず、北海道教育庁渡島教育局長   成田 祥介 様 
北斗市長  高谷 寿峰様 渡島教育委員会連絡協議会会長 三輪 雅子 様 渡島教育委員会連絡協議会教育長部会長 田中 健一 様 全国連合小学校長会会長 堀竹 充様をはじめ、多くのご来賓の皆様にご臨席を賜りましたことは、本会にとりまして大変光栄なことであり、心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。

 また、北海道教育庁渡島教育局長 成田 祥介 様、そして遠く東京よりお越しくださいました全国連合小学校長会長 堀竹 充 様には、当面する教育課題について、全道・全国的な視点からご講話をいただくとともに、明日は、地域に根付いた店舗展開を行っているラッキーピエログループ代表 王 一郎 様をお招きしてご講演をお聞きできることは、「志高く、信頼と協働に基づきともに進む校長会」を標榜する本会にとって、研鑽への活力を高めるこの上ない機会であり、深く感謝申し上げるとともに期待が膨らむところです。

 さて、全国連合小学校長会は、今年度より大会主題を『新たな知を拓き 人間性豊かな社会を築く 日本人の育成を目指す小学校教育の推進』と定め、時代の要請に応える小学校教育の在り方と校長のリーダーシップのあり方を探求しています。
 北海道小学校長会は、檜山・江差大会以降、教育課題の解決に取り組む「校長の在り方」に焦点を当て、信頼に基づく学校経営の実現を目指す校長の力量形成について研究を積み重ねてまいりました。しかし、教育改革が進む今日、校長のリーダーシップが一層問われていることから、全連小の新たな大会主題を受けて、本大会より大会副主題を「北の大地から世界を見つめ 新しい社会の形成に向けて挑戦する子どもを育む学校経営の推進」とし、新たな研究の一歩を踏み出しました。

 グローバル化の進展など世界的な構造転換が進む中、東日本大震災以降、これまでの物質的な豊かさを前提にしてきた社会の在り方や人の生き方に、変化が表れてきていると言われています。
また、第2期教育振興計画が決定され、教育再生実行会議から数次にわたる提言がなされる等、これまでそうであることが当然だと思っていた教育や学校のシステムが、今、確実に変わろうとしています。
 このような時代だからこそ、私たち校長は、先達の熱き思いを引き継ぎ『正論を以て、正道を歩む』という道小の理念に立ち返り、教育の流れに背を向けず、ひるまず、ためらわず、あきらめず、いつも前向きに様々な課題に毅然として取り組むことが求められているのです。
 学校経営の全てが子どもたちに収斂されることを胸に、教育改革や教育課題の本質を見極め、それらを学校改善や教職員の資質向上に生かし、子どもたちの健やかな成長を促す力に変えていくことが、校長としての責務ではないでしょうか。

 そういう意味で考えると、学校は時代の要請にこたえる新たな教育を創造する場であり、教師は未来社会を創造する子どもを育てる実践者であり、校長は新たな教育を創造する道を示すリーダーであらねばなりません。
つまり、学校が求められている責務は、学校経営の最高責任者としての自覚と覚悟、自信と誇りをもって、改革の道を指し示すことができる校長のリーダーシップなしには果たすことができないのです。

 本道の教育に、課題が山積している事は間違いありません。しかし、荒波のように押し寄せる教育課題に惑わされることなく、全ては子どもたちの健やかな成長のためにという原点を見失わず、事の本質と真理を見つめ、学校改革に校長としての指導性を発揮したいものです。
 本日午後の分科会において、本道の地域的な特性を生かした提言が、校長のリーダーシップの在り方に焦点を当て、未来社会の形成に自ら挑戦しようとする子どもの姿を通した研究協議によって、さらに深められ、全道すべての学校にくまなく還流されることを期待しています。

 終わりになりましたが、今大会の開催にあたり、主管として長きにわたりきめ細かく周到な準備を積み上げてこられた渡島小中学校長会の皆様のご尽力に心から敬意と感謝を申しあげるとともに、本大会を開催するに当たりご指導ご助言をいただきました北海道教育庁渡島教育局、北斗市など関係の皆様に厚くお礼申しあげます。
 私たち校長は、今まさに新たな教育の創造という歴史の1ページを刻む転換期の真っただ中に立ち会っています。「志高く、信頼と協働に基づきともに進む」ことを胸に、校長会としての結束力を高め、学校改善と本道教育の一層の充実のために、ここ北斗の地を研鑽の場とすることを誓い合い、開会の挨拶といたします。